IPO実務検定試験とは
IPO実務検定試験は、上場準備の知識がある人材を効率的に育てるために開発された試験です。
上場準備の実務を行うにあたって必要な知識を総合的に問う試験であり、試験の対策を通じて短期間で自然に上場準備の実務能力を身に着けられるようになっています。
IPO実務検定試験の概要
IPO実務検定試験は次の2段階の難易度に分かれています。
区分 | 合格時の能力目安 |
---|---|
標準レベル試験 | 上場準備スタッフとして、上場準備室長をサポートできる。 |
上級レベル試験 | 上場準備室長として、上場準備の業務を推進できる。 監査法人、証券会社などの上場関連プレイヤーとの折衝ができる。 |
試験範囲
科目 | 分野 |
---|---|
倫理・社会的責任 (標準レベルのみ出題) | 1 倫理 2 社会的責任 |
制度・コンプライアンス | 1 上場の意義、メリット・デメリット 2 市場の種類 3 市場別上場審査基準等 4 プレイヤー 5 会社法概論 6 金融商品取引法概論 7 コンプライアンス |
上場準備実務 | 1 上場準備のスケジュール 2 戦略とリスク 3 コーポレート・ガバナンス 4 内部管理体制 5 ディスクロージャー 6 証券会社対応 7 証券取引所対応 8 資本政策 |
IPO実務検定試験のメリット
- IPOに関する業務の全体像が分かる
- 上場準備企業への転職に役立つ
- キャリアアップのベースになる
IPO実務検定試験の注意点
知名度は低い
IPO実務検定試験は受験者数が多くはありません。
公式サイトの受験者動向では、受験者ののベ人数は1万人以上とされています。
古い情報になりますが、2008年から2015年までの受験者数の延べ人数は2000人程度だったようです。
「IPO実務検定試験」の受験者数が今年1~8月は220人に達し、前年同期に比べ3割強増えた。開始した2008年からの7年間で受験者数は延べ2000人を超えた。
IPO検定、受験者3割増 – 日本経済新聞
上限がわからないので推測にはなりますが、現在は年間1000人程度の受験者数ではないでしょうか。
有名な資格である簿記と、同様に比較的マイナーなビジネス会計の年間の受験者数はこちら。
2022年度の実受験者数(人) | |
日商簿記3級(ネット試験) | 207,423 |
日商簿記3級(統一試験) | 100,632 |
日商簿記2級(ネット試験) | 105,289 |
日商簿記2級(統一試験) | 40,721 |
ビジネス会計検定3級 | 7,288 |
ビジネス会計検定2級 | 3,725 |
試験結果・受験者データ | ビジネス会計検定試験
役に立つ場面が限定的
IPO準備企業か、監査法人、証券会社等のIPOに携わる組織以外ではあまり役に立ちません。
IPO準備企業の場合でも、上場準備が終わってしまえばその企業では資格を直接役立てられる機会は減っていきます。
IPO実務検定試験の資格取得が活かせる人
上場準備実務を担当する/担当予定の人
IPO実務検定試験が最も役立つ場所です。
上場準備企業で働きたい人
学生でこれから就職する人や、キャリアアップを目指して上場準備企業に転職したい人にも役立ちます。
上場関連ビジネスにたずさわる人
監査法人、証券会社、ベンチャーキャピタル、ディスクロージャーサービス会社等に属する方。
IPOの全体の流れの中で自分の組織の位置づけを知ることができるので、より理解した状態で業務を行えるようになります。
IPO実務検定を受けるメリットが小さい人
- 上場予定のない企業で働いている人
- 上場準備企業やIPO関連企業への転職を考えていない人
- 管理部門系の職種ではない人
IPO実務検定を受けた感想
IPO実務検定試験の標準レベルを受けた率直な感想としては、多少他の人よりはIPOとは何かの説明ができるようになるかなという印象です。
続きは次の記事をどうぞ。
会計領域でのキャリアを考えるなら
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